ドバラダ飛空船〜ブルースからハワイまで〜

ギターをひいたり真空管アンプをつないだり

機関室

了見

やれやれ、このネットオーディオの時代にCDやレコードを買いつづけるというのは、どういう心境なのだろうな。自分で自分がわからない。 コンポを廃棄して、旧式のラジカセにしたとたん、それさえも聞かなくなっている。音質は気にしないといいつつ、しっかり…

音楽探偵、早起きす

スラックキーの教則本を開いていると、譜面にモデラートやらアレグロやら書かれている。横にBPMが表記されているので、もっぱらメトロノームアプリでそれを鳴らしているが、あいかわらずフィーリングはだせていない。 小学生のころ、いつもだんだん速くなっ…

音楽探偵、訝しむ

「古人の跡を求めず、古人の求めたるところを求めよ」 ー松尾芭蕉『許六離別詞』ー *** ビジネスモデルぜんたいが、チリツモになっている。これはどうやら全世界的にそうなっている。配信の隆盛によって顧客数が爆発的にふえたためである。 生成AIによっ…

そんだけ

Amazonプライムミュージックをはじめてみたものの、スマホから聞いても盛り上がらないので、とりあえずBluetoothスピーカーを買って鳴らそうとおもう。 ギターがおもいのほか早く修理されたので、ちかく取りに行くことになった。なんなら2ヶ月くらい楽器店に…

修身

先日、ひさしぶりに練習を録音したところ、はっきりと後退していた。技術いぜんにフィーリングがなくなっている。 スキマ時間にナヘナヘのフィーリングをだすのはそうかんたんではないらしい。家人に聞かせてもバツだったので、これはほんとうにバツ。 あた…

詩歌管弦

あいかわらずほとんど毎日ギターを弾いている。先日、岩に押されて、いち日触らないでいたら、ほんとうに後退した。 どんなレベルでも、触らないと後退するものらしい。ミスタッチが増え、リズムもわるくなり、ダイナミクスもなくなる。楽器との一体感がさが…

Life Is a Journey, Not a Destination

フレッド・マクドウェルがいい。そしてR・L・バーンサイド。ブラインド・ウィリー・マクテルもいいし、スクラッパー・ブラックウェルも洒落ている。 ・・・と、半年まえに書いていた。さいきんはバンブルビー・スリムを聞いている。ハワイもそうだがブルー…

Nahenahe

つまるところ、ナヘナヘがハワイのうたごころであるというのにいまごろ気がついた。そういいつつ、ナヘナヘをあらわすための技術面のメモ。 ・オープンハイコード。オープンチューニングの開放弦の響きをぞんぶんにつかう。 ・ストレッチをともなう複音。こ…

音楽探偵、逡巡す

このところ、Amazon Prime Musicをつかってみるか、迷っている。説明によれば、1億を超える楽曲と、数千のステーション、プレイリスト、ポッドキャストがあるという。あちらで耳利きしてくれて、自分の好みの系統にすばやくたどり着けるようになっているもの…

音楽探偵、ふりかえる

つまるところ、すくないコードが聞きやすい。ベースラインもシンプルでいい。 単純なものをずらしながら赴くままにくりかえすのがたのしいわけで。そこにメッセージがのっていればいうことはない。 もっとも、ビッグ・ビル・ブルーンジーの「Hey, Hey」など…

音楽探偵、おもいだす

『Hey, Hey』からはなしが転がって、あらぬ方向へうごきだしている。いつものように、このまま行けるところまで、飛んでいくことにしよう。 *** さいきん、ブラインド・ウィリー・ジョンソンをイメージして、6-4でベースをプンチャンしつつ、マイナーペン…

ギター≠盆栽

おもうに、うたのある音楽をするなら、うたいながら弾いたほうがいい気がする。そのほうがグルーヴしやすい。 歌詞の意味もわかっていたほうがいい。ダイナミクスをだすことにつながる。 採譜してエッセンスを凝縮してきれいに再現するだけでは足りない。何…

Old-timer

またまた前回のつづき。 krokovski1868.hateblo.jp デイヴ・ヴァン・ロンクによると、フォークはスタイルではなくプロセスであるという。すなわちフォークソングは文字にたよらない共同体の音楽的表現であり、それはうたい手からうたい手へと口承でつたわっ…

音楽探偵、省察す

ビートニクの3つのBーBeard、Bongos、Beret。 *** Bのはなしではなくて。前回のつづき。 krokovski1868.hateblo.jp krokovski1868.hateblo.jp この半年ほど、ちょくちょく戦前ブルースを再訪して、なんとなく自分の好みというか、傾向が見えてきたのでメ…

音楽探偵、発見す

だいたいにおいて、学ぶというのは、よろこばしいことである。 ―ドクトル・クロコフスキーー *** 大和田俊之というひとの書いた「アメリカ音楽史」を図書館でみつけて借りてきた。似たような興味関心をもっているひとがいるらしい。完全にアカデミックな…

阿訪列車

ブルースのスタイル変化にかんするメモ。第2次大戦後、若いアフリカンアメリカンたちが奴隷制時代をおもいださせるような音楽を聞かなくなり、かわりにインテリホワイト層が文化人類学的な見地からブルースに接触してきた。また、戦争の反動から保守へと向う…

音楽探偵、出張す

【赤毛布】・・・あかげっと。 *** ブルースの文献を読んでいると、知らないひとがつぎつぎでてくるが、You Tubeがつぎつぎみつけてくれる。よくもわるくもイージーな時代になったとおもう。 イージーさにつられて、つい聞きながしてしまう。ぜいたくなは…

記号的練習2

練習メモのつづき。 krokovski1868.hateblo.jp ・漫然と弦をゆらさない。ギターに音をつたえるつもりでひく。 ・つねにきかせる相手を想定して音をだす。いなければ部屋の机でも椅子でも壁でもかまわない。 ・噛みしめないために、くちずさみながらひく。ま…

降りた井戸

こころの剛をならわんとおもわば、臆病をならえ。 ―坂田金時― *** 緊張ばなしのつづき。 krokovski1868.hateblo.jp 「批評されたとき、相手のいいぐさを気にせずに意味だけをすくいとる」というのもtipsのひとつにかぞえていいかとおもう。マイナスのこと…

音楽探偵、原点回帰

万年筆のインクが紙のうえにのってかがやいている。戦前ブルースのピアノのように、筆をおもく転がしていく。 *** なぜ音をだすのか? 自分自身を知り、行きかたを練るためである。岩もそうだし、釣りも同様である。 もっといえば、理屈をつける必要など…

タワークレーン・ブルース

緊張するとアイディアはでにくい。したがって手癖にたよることになるが、それも緊張によって自動化がとけてしまっているので、いつものように弾けない。 krokovski1868.hateblo.jp いつもらくにできていることがおもうようにいかないと、はずかしくなったり…

アートマン

緊張ばなしのつづき。 krokovski1868.hateblo.jp つまるところ、本番という状況に慣れる必要がある。きのう決めたとおり、メインは練習をあそぶのでいいとしても、発表ゼロはマズイ。うまく説明できないが、それではすぐに行きづまってしまう気がする。 あち…

天使の酒場

白洲正子にいわせると、趣味がないのは結構だが、趣味があってわるいのは、悪趣味なのだそうである。そうなの? *** 前回のつづき。 krokovski1868.hateblo.jp 休暇中に己のリソースを棚卸しするところから、ふたたびギターを手にするようになったわけだ…

ユリイカ!

パーカッションだろうがなんだろうが、演奏することはうたうことである。もの書きだろうがギター弾きだろうが、表現するとはうたうことである。So What? *** 「エウレーカ!」と叫んだひとはたしかアルキメデスで、彼はそのとき風呂にはいっていたそうで…

って何~ポケット編~

グルーヴのポケットはさがすものではない。たたかいにおいて敵の隙をさがすものではないのとおなじだ。さがしたところで自分の隙がふえるだけである。同様に、ポケットをさがそうとしてもグルーヴ強度はさがるだけだ。 メトロノームを2、4できいたり、裏でき…

Same Pocket

どういうわけかノウズイにピンピンと来ねえんだ。 ―殿山泰司― *** むかし、週刊少年マガジンに『中華一番!』という料理バトルマンガがあり、そのなかに「舌覚疲労封」という技がでてきたのを、いまもおぼえている。審査員が相手の料理を試食するまえに、…

音楽探偵、床に伏す

影響をうけるとは、要は真似たことがあるかどうかである。真似たあとに、それを脱却して、痕跡がのこる。それを影響といっている。いわば守破離の離である。 楽器でいえば、真似というのはコピーの先にある。コピーからはじまって、それを自分流に演奏するの…

音楽探偵、風邪をひく

「ぼくは普段からものごとの完結にはほとんど興味がない。ものごとの完結、それはある意味で死を意味するが、死の観念が存在するのは、むしろ完結へのプロセスにあると思う。死を見つめることは、生の証であり、生こそ死へのプロセスにほかならない。」 ―横…

音楽探偵、夜をうっちゃる

【失見当識】・・・現在の時間・場所・周囲の人・状況などが正しく認識できなくなること。意識障害や痴呆などであらわれる。 *** 音楽は時間にそって進行し、おわる。テンポ・チェンジやリタルダンドやルバートはあるにせよ、音楽ははっきりと時間芸術で…

闊達

【殺陣師】・・・擬闘のプロ。 *** 「ひとを斬るときは、こいつにも母親や女房子どもがいるとおもって斬れ」(澤田正二郎) 集中し、かつ心をひとつ処にとどめない、それがたたかいにおける心のもちかたであるという。矛盾したものいいになるが、集中しつ…