雰囲気系、BGM、サントラ、イージーリスニング、影響力の順に。ソリッドなムードミュージック、それがアンビエントである。
アンビエントは、ブライアン・イーノが提唱したように、空港のような特定の場所に音響を充たすアイディアからはじまった。アンビエントとは環境を意味する。英国のORBというユニットが、クラブ・シーンのなかで、相容れなかったビートをアンビエントに加えたのだという。
アンビエントにおいては、環境音を取り込むことで、外がわとつながっていること、音楽を包んでいるものを示すことが大事で、大切である。およそそういったことを、細野晴臣氏が『アンビエント・ドライヴァー』に書いていた記憶がある。
内と外の境界があいまいになる。内と外をアンビエントがつなぐ。内がわの性質もそれじたい外がわ化していく。拡大されていく。
このまえカマシ・ワシントンを聴いたら、toeをおもいだし、nujabesをおもいだした。浮遊感のなかの抒情のようなもの。日本だと情緒的なのでエモくなってしまうところを、すこし乾いているというような。メロコアを洗練させて、ポストロックとくっつけたというよりは、乾いたポストロックをドライに演ろうとしても、どこかに情緒がはいってしまうというのが、われわれの特性なのかもわからない。
乾いた哀しみ、硬質な抒情、そうしたものを醸しだす音はたくさんある。さいきんShogoの作品を聞いてそうおもった。以上、報告おわり。