【殺陣師】・・・擬闘のプロ。
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「ひとを斬るときは、こいつにも母親や女房子どもがいるとおもって斬れ」(澤田正二郎)
集中し、かつ心をひとつ処にとどめない、それがたたかいにおける心のもちかたであるという。矛盾したものいいになるが、集中しつつ拡散している状態ということだろうか。
野球のバッターのなかには、打席でピッチャーの投球を待ちながら、同時に野手やランナーの動きを見て瞬間的に打つ方向をきめるひとがいるという。おなじようなことだろうか。
あるいは、話しながら聞きながら話すようなものかもしれない。わからない。
そういえば、日本を代表するドラマーのひとりである村上ポンタ氏が、ドラムの耳コピについて「練習するとぜんたいを聞きながらドラムの特定のパーツの音だけをとりだせるようになる」と自伝に書いていたおぼえがあるが、これも似たような趣旨かもわからない。
ポンタ氏もしばらくまえに亡くなった。合掌。