自作スライドバーばなしのつづき。
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SB食品のある種の香辛料の瓶がスライドバーにつかえるというのは、以前に検証したのだが、首の部分が弦跳びのさい邪魔になるので、切り落としてみたところ、口径がすこしおおきくなった。
切り口をヤスリでなめらかにしようとしたら、ガラスが欠けたので、エポキシを塗った。さいしょからそうしたほうが世話がないかもわからない。なお、エポキシの厚みで径はすこしちいさくなるので、微調整にもつかえそうである。
結論、コンケーブスライドは、弦のアールとバーの曲面があわないと、メリットを享受できない。コンケーブとハリススライドの利点は、ストレート形状にくらべて低音弦を鳴らしやすくなることだとおもう。理屈があっているかわからんが、先が広がっているぶん、おもくなって、しぜんと低音弦がわに加重されるということではないかとおもう。
バーの口径を上記のやりかたで調整する前提だと、瓶首を落としたほうが演奏はしやすくなる。弦跳びだけでなく、バーじたいがかるくなるので、そのぶんバーを捌きやすくなる。サスティンはすこしおちるようだが、気になるほどではない。
ハリス、コンケーブともに、末広がりのかたちになるので、バーと指の触れている面積は、ストレート形状より相対的にちいさくなる。したがって、バーの操作性がややさがるということも、認識しておいていいかとおもう。バーの先端がおもいため、レスポンスはおそくなるし、おもい先端付近が指とくっついていない状態だと、バーは暴れやすくなる。これらが低音弦の鳴りとトレードオフの関係になっているように感じた。
総じて、操作性はストレートーコンケーブーハリス、ぜんたいの和音の鳴らしやすさはストレートーハリスーコンケーブ、とくに低音弦の鳴らしやすさはハリス、コンケーブーストレート、弦跳びのしやすさはストレートーハリスーコンケーブ。もっとも、アールがあえば、コンケーブの使用感はもっとよくなるかもしれない。
実験の結果、既製品と遜色ないレベルになったと感じたので、自分ごのみのバーの形状を知る意味でも、トライする価値はあるとおもう。不覚にも途中からパセリとクミンシードのどっちがどっちだったかわからなくなってしまったので、店頭でさわって確認したほうがいいかもわからない。
ともあれ、今日びスライドバーも安くはないし、ガラスバーの音は太くて甘くて丸っこい特有の魅力があるうえ、スチールやブラスをかんたんに加工できないことをおもうと、つくづくSB食品さまさまである。ボトルデザインがかわらないことを願うのみである。
なお、ストレート形状の山椒の瓶については要継続調査。また、銅とスチールにかんしては、ホームセンターを継続調査中である。そのはなしはまた次回。
以上、経過報告。
P.S. 1 2024年2月時点で近所の店頭ではすべてハリス形状になっていた。
P.S. 2. バーの先端がひろがっているというよりは、単純に先端がつまっているのでおもたくなって、低音弦がわに加重されやすいということのようにおもう。デュアン・オールマンがコリシディンをつかっていたように、瓶首ではなく、瓶をそのままつかうひとがいるのは、そういうことなのかもわからない。
もっとも、たんなるものぐさという線もある。以上、経過報告。