ドバラダ飛空船〜ブルースからハワイまで〜

ギターをひいたり真空管アンプをつないだり

You Can’t Get That Stuff No More

 自作スライドバーのはなしをしておきながら、ナイフスライドをしてみたことがない。わたしは文官なので万年筆はもっても刃物はもちあるかない。ポケットナイフを買うならクライミングにつかえるものにしようとおもいついたが、実行するかわからない。

 

 ナイフスライドについてかんたんにしらべてみたところ、ラップスティールスタイルで行うのが一般的であるようだ。砲弾のようなトーンバーのかわりにナイフをつかうわけである。当然ながら刃の背中がわをもちいる。

 

 起源というと、まえにしらべたジョセフ・ケクク説がでてくるが、ギターのうえに落としたのはナイフではなく櫛だったとしているものもあり、真偽の程はさだかではない。

 

krokovski1868.hateblo.jp

 

 また、山内雄喜氏によると、ハワイアンスティールの由来はインドの民族楽器であるという。これも詳細は不明。

 

krokovski1868.hateblo.jp

 

 W.C. ハンディのタトワイラー駅でのエピソードはあまりにも有名だが、時系列的にはハワイアンの流行よりずいぶんまえなので、ブルーススライドの源流は、素直に1弦ギターとおもっていいのではないかとおもう。1弦ギターのフィーリングはハラーそのものなので、ブルース・スライドのそれと軌を一にしている。

 

 1弦スライドからはじまり、ハワイアンとはべつなところで展開し、わりと近年になるまでアーシーな微分音をだすスタイルを保持してきた、そんなふうにみえる。コーダルでテクニカルなアプローチはコンテンポラリーなプレーヤーによって開拓されている印象である。

 

 ともあれ、スライドバーの3大原料がガラス、ナイフ、スチールだというのは、入手と加工のしやすさからして、合っていそうにおもわれる。動物の骨などもつかわれていたそうだ。いまでいう陶製のバーのような音だろうか。要継続検証。

 

 私的ドリームプロジェクトは、クライミング用にポケットナイフを買い、ハワイでワイゼンボーンを入手して、ナイフスライドであそぶこと。いつになるやら。

 

 以上、報告おわり。