今日の発見。フレッド・マクドウェルを聞いていたら、ブラインド・ウィリー・ジョンソン風のパッセージがでてきた。
はじめに4度から5度にいって、短3度を弾いてルートにいくのだが、そのつぎは4度から減5度にいってもどり、短3度からクォーターチョーキングしてからルートにいく。それも異弦同音のチョーキングのように、7度からルートへすべりこんでいく。
つかっているモチーフはシンプルきわまりなく、それをくりかえしているだけのようにきこえるが、じつは微妙に展開している。極端なはなし、それがブルーノートのだしいれなのではないかということに、これもようやく気づきだした。野球のピッチャーがストライクゾーンのなかでボール半個や4分の1のだしいれをするように、ブルースマンは音程のだしいれをしているのである。
微妙にずらしながらパターンを反復する。はじまりもおわりもなく、赴くままに転じていく。とくにブラインド・ウィリーの場合、それがあまりにながれるように自然ですばやいので、聞き手の分析をすり抜けてしまうのではないかとおもう。マクドウェルが似たモチーフをゆっくり弾いてくれたので、たまたま気がついた。このまえのナイトホークにつづくユリイカだったのでメモ。
まえに「ブルースにおける技術はフィーリングに直結している」と書いたけれど、もっといえば技術はうたごころとくっついている。だからというべきかわからないが、やはり技術だけをとりだそうとしても、スルーしてしまいやすい構造になっている。これも知っているひとにはあたりまえのはなしかもしれないが、あとからくるひとがいるかもしれないので、ここにのこしておく。
あたりまえついでに申し添えるなら、すごい発見をしたとおもったとき、すぐにひとに伝えないほうがいい。興奮してまくしたてても、相手はうさんくさがるばかりで、まともにとりあってはくれない。
それならひとにいうまえに文字に起こしてみたらどうか、というのがこのブログの趣旨、ということはないな。アデュー!