クラプトンつながり。『Hey Hey』風。原曲はビッグ・ビル・ブルーンジー。なかなか格好がつかない。むずかしい。
ブルースばなしのつづき。
ブルースはフォーマットこそシンプルだが、フィーリングをだすのはつくづくむずかしい。本家のブルースマンたちは、それぞれに練り上げた自分のスタイルなので、アクがつよかろうがクセがあろうが特殊だろうが知ったことではないが、真似をとおして彼らのエッセンスを抽出しようとするほうはたいへんである。他人の縫いかたの癖に合わせて服を仕立てるようなもので、ただでさえむずかしいものが、よけいにややこしくなっている。
つかわれているのはごく基本的なテクニックなのに、とくにギター1本のカントリーブルースは、もとがシンプルなぶん、省くとたちまちフィーリングが失われるところがある。いいかえれば、上手なのにフィーリングがない、という現象が起こりがちなのがブルースである。逆にいうと、へたでもフィーリングがあれば、ブルースになってくれる。
もっというと、ブルースの場合、テクニックのほとんどはフィーリングに直結しているのだが、いくつかは微妙すぎて取るに足らないものとして省かれてしまう。とくに技術のたかいひとはそうしがちになるようになっている。
じつは両手ともいろんなことをしていて、ひとつひとつは無視していいようなニュアンスが、ぜんたいとして複合的な味わいを醸しだしている。真空管アンプやコーヒーとおなじである。
オープンチューニングでスライドバーをつかうと、しなければならないことが減ってくれるように感じるのは、フィーリングに直結したテクニックがやさしくなるからではないかと自分ではおもっている。とりあえずコードトーンが鳴ってくれるオープンチューニングは、それらしく聞こえやすいというか、格好がつけやすい。
息子が大きくなったら、ギターをあたえて、どうなるか見てみよう。そのときのために、体系化してガイドラインをつくるというのを、10年後の目標にしよう。
以上、報告おわり。