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結局、自力で基板を外せないので、これも実家にもちかえって父とふたりで分解作業をした。なるほど、基板をやじり型のパーツで穴に差して止めていたのか。ボリュームポットが基板に直付けされているのでシャフトごと外して、やじりの部分をラジオペンチで挟んで基板をフリーにすると、かろうじて半回転させることができた。
裏側はTube Depot社のキットとおなじような見た目になっている。これがプリント基板というものらしい。件の電解コンデンサをふたりしてああだこうだいいつつ吸い取り線をあててどうにか取り外しに成功。しっかり液漏れしていた。基板用のブロック型である。
父にテスターのつかいかたを教えてもらい、試しに計ると容量はなぜかちゃんとでる。しかし明らかに漏れているのでこれは交換でいい。
ついでにほかの電解コンデンサも計ってみたところ、平滑とデカップリングの22μFはなぜかどちらも45μFを示す。ほかの低耐圧のコンデンサは容量が抜けている。
どうしてこの状態で音がでているのか、ふたりして首を傾げてしまった。キットについてきた12AX7のパスコンを単独で計ると数値はちゃんとでたので、回路上ではうまく測れないということなのか。謎である。
ともあれ、巷でいわれているとおり、電解コンデンサに寿命があるのはたしかなようだ。つまり中古品を買うときは交換を視野に入れる必要がある。
今回の一件でアンプが立派な消耗品であることがわかった。手もとにずうっと持っておくというよりは、日常使いするぶんをその都度作るか買うというのが世話がない気がしてきた。
なんじゃかんじゃいいつつ作業していたらアッというまに数時間がすぎていった。これもパーツを調達しなくちゃあ。以上、報告おわり。