ドバラダ飛空船〜ブルースからハワイまで〜

ギターをひいたり真空管アンプをつないだり

道化師のワルツ

 子どもはすでにひととして至上のものをもっている。大人が無意識の通路をつかわないとたどり着けない場所にはじめから住んでいるのが彼らである。

 

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 人生のそれなりの期間、ちょこちょこと洋邦のポップスをきいてきたわけだが、作品はそれこそ大量にあるわけで。書物も山ほどあって、繙くのも億劫だし、読むよりは音をききたい。となればやはりコンピレーションの出番である。

 

krokovski1868.hateblo.jp

 

 『喫茶ロック』は往年の邦楽をレーベルごとにまとめたコンピレーションで、ニッポンのポップスの雰囲気をうかがい知るには好適な盤だとおもう。ここから自分の好みにしたがってディグしていくのは、ひとつの有効なやりかたである。レーベルごとにしっかりカラーがちがうので、あつめてきくだけでもおもしろい。

 

 ちなみに『喫茶ロックNow』もあるが、こちらは別物だとおもったほうがいい。年代がくだってくれば、図書館でまにあうような気もする。

 

 書籍にかんしては、そのむかし『Jap Rock Sampler』というあやしげな本をひとにすすめられたことがあるが、10年ちかく入手できないでいる。なんせ情報はそこらじゅうにあふれているから、取捨選択のほうがはるかにたいへんである。

 

 そういえば、もうずいぶんまえから、戦後期のタンゴ事情といったものをだれか調べてくれないか―いや、きっともう資料になっているだろう―とおもっている。GSという名の歌謡、フォーク・ロックからあがた森魚まで。

 

 「GSは見かけはロック、中身は歌謡曲」とは松本隆氏の言であるが、歌謡曲こそはこの国のポップスの王道である。すくなくとも、昭和歌謡ということばが生きているあいだはそうだったといっていい。

 

 昭和歌謡についても、戦後のタンゴ受容についても、ディグしていきたいのだが、そのタイミングのないまま、いまにいたっている。これも手をつけてしまわないと、いつまでも待機中ではいいかげん大儀になってアイディアじたい廃棄してしまいかねない。

 

 自分なりに聞いてから読むのを不文律にして生きてはきたものの、そろそろ書物のちからを借りないと、おじいちゃんになってしまいそうだ。てはじめにピアソラについて書こうとおもったら、CDをすべて手ばなしたあとだった。ヤレンノウ。

 

 以上、報告おわり。