音楽ジャンルメモ。フィーリンとは要するにキューバのムード歌謡だとおもっていい。半世紀以上むかしにジュークボックスから流れていたような音楽であり、ハイカルチャーよりはあきらかにB級にちかい。
***
先日、どこからともなくグレン・ブランカがながれてきて、まるでフリクションのように聞こえた。パンクが嵩じて前衛にちかづくパターンだろうか。とりあえずなんでもかんでもラディカルになれば前衛というラベルを貼れるようになる気もするし、なんともいえない。
フリーとアヴァンギャルドとプログレッシブのちがいというのはわたしにはわからない。フリージャズはあってもフリーロックやフリーR&Bとはいわない気がする。フリーソウルはあるが、意味はちがうだろう。アヴァンギャルドは芸術全般につかわれる用語のようにおもっているが、これも合っているか知らない。
プログレッシブ・ロックはあっても、プログレッシブ・ジャズとはいわない。ジャズにさきにフリーをつかわれてしまったので、ロックにはプログレッシブをあてたのかもしれない。フリーになって散開してしまったことへの反省をこめて、進歩主義的な姿勢からプログレを名乗ったのかもしれない。ジャズはジャズで、プログレッシブをつかわれてしまったので、エクスペリメンタルといっているのかもわからない。
そもそもプログレとかフリーという呼称をつくったひとがいるのかどうか知らない。しらべればわかることだろうが、しらべたところでどうということもないので、まだしらべていない。
ところでさいきん知ったのだが、ティン・パン・アレーとは、ニューヨークの音楽出版社があつまる通りをそう呼んだことからきているそうだ。そこかしこにピアノが置かれて、ミュージシャンがあつまって、錫鍋をガンガンいわすように騒々しい通りだったことから、そう呼ばれたのだとか。モンロー・H・ローゼンフィールドという、作曲家兼ジャーナリストが名づけ親だそうである。
だれが名づけたかはともかく、ティン・パン・アレーの楽曲の特徴が、徹底した分業制にあり、大量生産・大量消費型の音楽のはしりであったことは、認識しておいていいかとおもう。以上、報告おわり。