ドバラダ飛空船〜ブルースからハワイまで〜

ギターをひいたり真空管アンプをつないだり

イーグルス巡礼③

 前回のつづき。

 

krokovski1868.hateblo.jp

 

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 YouTubeジョー・ウォルシュのレッスン動画がでてきたので、おもわずそれも観てしまった。ホントこの先輩はなんでも知っとるな。

 

 それによると、ウォルシュはスライドをデュアン・オールマンに学んだという。生年月日がおなじなのだそうだ。「ガラスのバーはスイートな音でいいけれど、ツアー中にこわれても困るからブラスをつかっている」とのこと。「スライドの指はどれでもいい。しっくりくる指をつかえ」といっている。

 

 奏法については、バーをフレットに平行に真上に置くことと、バーをつけたほうの手首をリラックスさせてニュアンスをだすように、といっている。動画を観るかぎりマジシャン型のひとらしい。容易にひとにタネをあかさない。

 

 また、ギターの演奏全般において右手が大事だといっている。これもプロがよくいう台詞である。Charもむかしどこかのインタビューで「左手がうまいやつはいっぱいいるけど、右手がうまいやつはすくない」と語っていた。どちらにせよ、両手がおぼつかない私のようなアマチュアにはピンとこない。

 

 と、いうわけで、イーグルス後期のツインギターの感じは、オールマン・ブラザーズ由来ということでよさそうである。ウォルシュの加入のせいだけでもないのだろうが、バンドはだんだんにハードなサウンドになっていき、アルバム『The Long Run』では、ロックンロールになったりハードロックになったりスワンプっぽくなったり、かとおもうとビートリーになったりバラードにいったり、キャロル・キング調のあとにドゥービー・ブラザーズがきたりする。

 

 ひとこと「Suite」といったところか。個人的にはあまりそういうアーティストを推さないのだが、ここまですてきに演られたら問答無用でぶっとぶしかないわけで。うたがいいと何をやってもキマるのだなあと思わされる。

 

 そう、とにかくうたとコーラスがいいのである。とくにドン・ヘンリー。先輩に2013年リマスターだという『Sad Cafe』を聞かせてもらったら、すこしポール・ロジャースのようにきこえた。やはりマスタリングや聴取環境で印象はだいぶかわるみたい。

 

 それにつけても、どうしてこうもドラマーはうたがうまいのか、むかしから不思議におもっている。ドラムボーカルにせよベースボーカルにせよ、さいきんはすたれたのか知らん。ベースボーカルといってまっさきにうかぶのはスティングだが、このひとについても、また別の機会に書くことにしよう。

 

 総じて、何かひとつが飛び抜けてすごいというよりは、高次元に一式揃ったバンドが時流にのって駆けていったようにきこえる。そしてハワイ音楽を聞いてこれにもどると落差がものすごい。イーグルスのほうは完全にエンターテイメントである。ハワイはあれでミュージシャンが学校の先生を兼業していたりするから、そういうちがいのような気もしないでもない。

 

 いまのところマイフェイバリットはかわらず『Greatest Hits Volume 2』。ベスト盤が個人的上位にくるのはめずらしいんだけどな。なんというか個別のアルバムだと盛りだくさんすぎるというか、多彩すぎるというか。アルバムの立ち位置はビートルズの『Past Masters Vol. 2』とどこか似たものを感じるが、私だけかもわからない。

 

 なんせビートルズについてもまた今度。いったん報告おわり。