ドバラダ飛空船〜ブルースからハワイまで〜

ギターをひいたり真空管アンプをつないだり

ナヘナヘ

 ヘナヘナ、ではなくて。ハワイ語で寛大さを意味する。

 

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 ギターの弦をはりかえたらフレットがサビていた。よく見たらネックも順反りしていた。たぶんぜんぶ梅雨のせいだ。

 

 

 

 えせハワイ。フンイキのみ。邦題は『パラダイスブレンドに捧げるスライド』。キーはF。

 

 あれからも図書館をつかってハワイの音源をぽつぽつ聞いている。

 

krokovski1868.hateblo.jp

 

 どうやら、ハワイアンだからラップスティールやペダルスティールでスライド、というわけでもないみたい。ナイロン弦をつかったり、12弦をつかったり、使用ギターもいろいろで、ジャケットの写真などをみるかぎり、すくなくともマーティンはつかわれている。

 

 『ハワイアン・スラック・キー・ギター・マスターズ』の解説によれば、スラック・キーは「キ・ホアル」とよばれ、オープンチューニングにして親指で低音弦をひきながらほかの指でメロディーなどを奏でるスタイルをいうそうだ。これだけ読むとブルースやラグタイムとかわらない。要は生ギターの王道スタイルである。

 

 とはいえ、ライナーノーツにのっているだけで、かなり数のチューニングがある。ひとの名前がついているのもあるくらいだから―「レナードのC」とかそういうの―相当である。どうりで耳なじみがないわけだ。歌い手の声域に合うようにギターを調律するというからなおさらである。

 

 せっかくなので以下にかんたんに抜粋してみた。

 

・オープンG むこうでは「タロ・パッチ」というらしい。

 

・Gワヒネ DGDF♯BD

 

・G6th CGEGAE

 

・Cメジャー CGEGCE

 

・Cワヒネ(レナードのC)CGDGBD

 

・Cニ・イハウ CGCGAD

 

・Fワヒネ CFCGCE

 

 ワヒネやニ・イハウが何を指すのかは不明。ちょっと教則本か何か探してみよう。

 

 なんせチューニングやスタイルよりなにより、とにかくギターの音がいい。テクニカルになっても押しつけがましくならない。「どうだ~!」というところがない。ラグタイムなどとくらべると、リズムもゆったりしているせいか、よけいにそう感じる。

 

 タイレイ・タイリオというか、あきらかに波のグルーヴだとおもう。その点はボサノヴァともちかい。シンコペーションとアンティシペーションがあっても、ラグタイムとはちがう。戦前ブルースと奏法はちかくても、グルーヴは明白にことなっている。

 

 快適で湿度の低い海のちかくで録ったから音があたたかい、というわけでもないだろうが、とにかくいい音している。Dancing Cat Recordsのシリーズ盤を聞いているが、きっと真空管マイクで録っているにちがいない。そう独りぎめにきめて居る。

 

 ギターを修理したらまた戻ってこよう。すてきな音はつくづくたくさんある。

 

P.S.  You Tube先輩にきいたところ、「ナヘナヘ」は現地の人によれば「soothe to come like a lullaby」だそうだ。おちついたやさしさ、くらいのニュアンスかもわからない。以上、報告おわり。