前回のつづき。
低音のあとに和音を3本指で同時にひくのがプンチャンプンチャン、すなわちプラッキングだったのはかろうじておぼえているのだが、カーターファミリーとスリーフィンガーとカリプソがどれがどうだったか、やっぱりおもいだせない。本をすてるとこういうときに困るんだよな。
たしか子どものころ父にもらったふるいフォークギター教則本にのっていたとおもうのだけれど、さだかではない。判型の大きい、うすい本だった。私は「プンチャンプンチャン」ということばをこれでおぼえた。
70年代後半の教則本など、とうにのりこえられてしまっているから、いまさら入手はむずかしいだろう。こういうときこそグーグル先生の出番ということで、聞いてみたところ、カーターファミリーと2フィンガーを一緒くたにしていたとわかった。
私は、ホワイトアルバム以前にポール・マッカートニーがアコースティック曲でつかっていたあれは、2フィンガーだとおもっていた。そしてジェフ・ベックも2フィンガーだとおもっていた。どちらも2本指ではあるけれど、中身はだいぶちがう。
そしてカリプソ・ピッキングについては、なみいる先生がたもどうやらご存じないらしい。国会図書館の書誌情報を検索したかぎりでは、寿海書房の『図解folk guitar』(寿海出版、1979年)か『初心者のフォークギター入門』(協楽社、1981年)のどちらかのようにおもえる。判型からしておそらく後者だろう。
そうおもって父にきくと、教則本のことはおぼえていなかった。そしてギターを買ったのは1978年だという。推測はアッサリとはずれた。
ということはウチのFGは45歳、ピックガードをはぎとったり、ヤスリをかけようとしたり、あげく横っ腹に穴をあけて塩ビパイプをいれようとしているが、バチあたりな気もしてきた。
そもそも、カリプソという音楽をちゃんと聞いたことがないのだから、とりつく島がないというか、はなしの接ぎ穂がない。むしろそちらをさがしたほうが、あてのない記憶をさぐるより、いくらかマシかもわからない。
いったん報告おわり。