ドバラダ飛空船〜ブルースからハワイまで〜

ギターをひいたり真空管アンプをつないだり

FG補完計画

 連中はギターを肩にかけない。壁にかけるのだ。 

ードクトル・クロコフスキーー

 

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 さいわいに病も癒えたので、弦を買いに楽器屋へでかけた。ふとショーケースをみるとD-28の値段が跳ね上がっていた。投資目的で買うひとがいるのか、ワシントン条約のせいなのか、円安のせいなのか、それらの混合か、知らないが、ほかの楽器もそろって高くなっている。どうなってんの?

 

 私は現行の一級品に50万円はだせないし、これでは委託販売している楽器屋さんと仲よくなるか、あるいは知りあいから売ってもらうくらいしか、まともな手をおもいつかない。フリーマーケットや蚤の市にでかけてジャンク品と戯れているほうがよほど気らくである。

 

 いっぽうで、ともに育つ時間をかんがえると、現行品を買うチャンスというのは、じつはそんなにのこされていないのかもわからない。ギタリストの友だちがいて、ギターを貸し借りできるのが理想だが、このご時世、そもそも人づきあいをしていない。なんなら仕事もしていない。

 

 弦の値段も微妙にたかくなっていたが、むかしながらのヤマハの弦はまだやすかった。パッケージもかわっていない。なつかしい。

 

 よくみると6弦が微妙に細いセットになっている。012-054ではなく、012-053、そういえばまえからこうだった気もする。ヤマハのことだから、何か理由があるのだろう。

 

 なお、そもそもミディアムゲージ以上は売っていなかった。まあ、買うひともおらんよな。

 

 ながめているうちに、太い弦を張る気も失せてきた。おそらく釣りのタックルバランスとおなじで、極端なセッティングにすると、どこかにしわ寄せがきてしまうだろう。

 

 これまでジャンク屋をめぐっていろいろな廉価品の個体をみてきたかぎり、ミディアムゲージ以上のテンションにサドルが耐えられるかというのは、かなり不安がある。ネックの反りもあるが、ただでさえ高いFGのサドルが浮いたら目もあてられない。やはりライトゲージでお茶を濁すことにしよう。

 

 ずんずんとしらべていくと「ネックアイロン」というのもでてきた。つくづくいろいろなやりかたがあるものである。道具の準備からして手間だけれど、高校生のころだったら、おもいあまってためしていたかもわからない。

 

 なんせ、とにかくいろいろやってみよう、そうおもってひと月ぶりにマーティンのケースをあけたら、ネックの反りがもどってきていた。Lucky me!