ロックでいうところのロック、ソウルでいうところのソウル。
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前回のつづき。
「Their Greatest Hits 1971-1975」をジャンク屋でみつけて330円で買ってきた。こればかりはアルバムで聴かないと気分がでない。
結論、イーグルスがカントリーロックにくくられる一因は、この作品にあるのではないかとおもった。前期の作品からカントリー、ロックンロール、バラードがあつまっている。コーラスワークをフィーチャーしているともいえ、結果的にどのスタジオアルバムより、バッファロー・スプリングフィールドやCSN&Yにちかづいている。
ジャケット裏をみると、グリン・ジョンズとビル・シムジクが連名になっていた。そのせい、というわけでもないだろうが、結果的にコーラスものと、ロック調の曲とがバランスよくはいった恰好になっている。
これ以外のベスト盤だと、キャリア全体からまんべんなくえらんでいるので、しぜんと曲想は多彩になり、スターダムにのしあがって以降のハードなサウンドと、バラードとの二軸になりがちである。その点、本作と『Greatest Hits Volume 2』は、時期でくっきりわけているので、そこに存在価値というか、コンセプトが勝手に生じているといえる。
要はぜんたいから選ぶとこぼれてしまう楽曲がはいっていて、それでも余裕で成立するクオリティがあるので、だれがなんといおうとやはりスーパーグループである。2009年にマイケル・ジャクソンが亡くなるまで、本作がアメリカでいちばん売れたアルバムだったというのもうなずける。
せっかくなので『Greatest Hits Volume 2』もまた借りてみたがやはりいい。ベースがカタマリになってでてくるところとか、ドラムのすこしつまったような感じとか、それでいてすきまがあるというか、帯域がせまいためにかえってくっきりきこえるというか。
結句、ロックにハイファイはいらんのではないかとおもう。以上、報告おわり。