流通を合理化すれば価格は安くなる。だったらフィジカルをつくるのをやめてしまえばいい。CDやレコードはマージンを生んで企業を儲けさせるだけだ。
ーそういいつつCDを買って聴く。気がつくと20年以上たっている。
スタジオ盤は生演奏とべつの価値をもって甲乙をつけがたい。腕ききのレコーディングエンジニアがいなくなって、スタジオが効力をうしなうか、業界団体が隕石でほろびるか、大手出版社がネットの海からそれ以上の利益をあげられるようにならないかぎり、CDはなくならないだろう。
デジタルの世界では、サービスの価格はどんどんさがることになっている。それは維持できる限界、すなわちタダにちかづく。したがって、実質タダになったその周辺から、つねに価値を生んでいくほかない。
あらたなアイディアも同様で、それが広まると、すぐに価値がさがって、もうけがへる。それでいつも追われつづけることになる。
だからそういうのは組織にまかせて、あまった時間であそぶことを考えたほうがいいのかもわからない。それがひきあわなくなったら、そのときにまたかんがえればいいような気もしてきた。
さておき、はなしをもどすと、CDやレコードはジャケット、ライナー、中身の複合メディアだから、けっこうしぶとく生きのこるんじゃないかとおもっている。というより、ひょっとしたら、販促用の付録がなくならないかぎり、フィジカル音源はなくならないような気もする。
すくなくとも、私は世のなかにCDがあってほしいので、助命のためにも買っている。以上、報告おわり。