B. B. King & Eric Clapton 『Riding with the King』
両者ともに「代表作は?」と問われて答えるのがむずかしいアーティスト、前者は『Live at the Regal』、後者は『Unplugged』といってみることはできるものの、それで話が済んだりはしない。ブルースミュージシャンというのは根本的にアルバム制作に向かない人種だと思う、はっきりいって。
それで本作はクラプトンがある種ファン目線でB.Bの良さを最大限ひき出そうとしたら幸福な結果になりました、というもの。リスペクトということばがこれほど似合う作品もそうないだろう。
「Come Rain or Come Shine」などはもう完全にクラプトンの選曲勝ちである。B.B単独だったらこれを歌おうとは考えなかったにちがいない。4曲目「Marry You」での絶妙にロックナイズされたギター―こういうのほんとうにクラプトンの独壇場である―、6曲目「Help the Poor」の得もいえぬグルーヴ、もはや聴きどころでない箇所を探すほうがむずかしい。
とにかくB.Bのヴォーカルをくらってください。クラプトンについてはまた次回、別の機会に改めて語ることとしよう。以上、報告おわり。