オールタイム・グッド・オールド・アメリカン・ミュージック。ライ・クーダーのことは以前にもとりあげた。ちかごろはInstagramなどというベンリなものがあるので、近況を知ることもたやすい。すごい時代になったものである。
まあなんというか、偏屈なひとではあろうかとおもう。ヴァン・ダイク・パークスしかり、キャプテン・ビーフハートしかり、アメリカン・ルーツ・ミュージックの体現者たるもの、きれいごとではすまないというか、一筋縄ではいかないというか、人格円満ではやっていけないのだろう、きっと。
さておき、本作はおもに彼のレパートリーからあつめた25曲で、ジェリー・ロール・モートンの古き良き時代のジャズにはじまり、スウィングからカントリー、フォーク、ラグタイム、デルタブルースをとおって、ロックン・ロールへといたり、テキサスからメキシコへと抜けていく。
ブラインド・ブレイク、スリーピー・ジョン・エステス、レッドベリー、ウディ・ガスリー、ブラインド・ウィリー・ジョンソン、フレッド・マクドウェル、ジョニー・キャッシュ、チャック・ベリー、エルヴィス・プレスリー。隣国への目くばりもわすれていない。フラーコ・ヒメネスとトビー・トーレスの「Poquito Fe」は、この一連の流れの締めくくりとして奏されると、なんともいえない感慨を帯びてきこえる。
ライナーにあるとおり、「戦前の南部の音楽風土に主眼を置き、戦後に引き継がれる道筋として一本の流れが作られている」。ライがとおった道を辿って、思いを馳せようという、そんな作品。
P.S. せっかくなのでほかのアルバムを再訪しようと図書館の蔵書検索をしたら、なんとタジ・マハールと新作をだしていたので、ノータイムで予約した。タジ・マハールについてはまた次回。以上、報告おわり。