ドバラダ飛空船〜ブルースからハワイまで〜

ギターをひいたり真空管アンプをつないだり

昔日のブラフォー

 母の実家からブラザーズ・フォアの1972年の来日公演プログラムがでてきた。すこし虫に食われているが、中身は無事で、ちゃんと読める。このとき結成13年め、9度目の来日だったようである。

 

 ライブ会場は各地の市民会館、県民会館、文化会館、公会堂、そして厚生年金ホール。果たしていまものこっている建物はあるのだろうか。すくなくとも名前はかわっていそうである。

 

 労音音協ということばがあちこちにでてくるが、どのような位置づけだったのか私にはわからない。フォークつながりで労働組合なのだろうか、とおもったら、それぞれ勤労者音楽協議会日本音楽協議会の略だそうである。あたらずとも遠からずだった。

 

 むかしはこういう組織がうまく機能していたのだろう。ちかごろは協議ということばじたい、はやらないのかもわからない。

 

 それはさておき、プログラムの中身がかなり充実している。収録された座談会をよむと、やはりブラフォーはカレッジ・フォークというか、1963~64年ころから注目を浴びて、PPMキングストントリオとともに、当時のフォークブームの一翼を担った存在だったらしい。

 

 のちのニューフォーク―座談会では「いいたいことをいうスタイル」といわれていた―とくらべると、歌いやすさをのこしつつ、ハーモニーを大事にした、わりとファッショナブルな音楽というような位置づけだったようだ。フォークのベンチャーズというようなとらえかたもされている。要はお手本ということだろう。

 

 プログラムの後半をみると、この年はブラフォーのあとはクリフ・リチャード、カラベリ、ジェイムス・テイラー、ナンシーウィルスン、ローラ・ニーロポール・モーリアが順に来日し、さいごはニニ・ロッソのクリスマスコンサートというスケジュールになっている。また、プログラムにはさまっていた労音のパンフレットによれば、9月例会は赤い鳥、10月例会は布施明だったようである。

 

 じっさい、「それがどうした」といわれてもこまる。ただ時代を感じた、というだけのはなし。

 

 「カラベリときらめくストリングス一行37名」か。せっかくだからさがしてきいてみよう。以上、報告おわり。