ドバラダ飛空船〜ブルースからハワイまで〜

ギターをひいたり真空管アンプをつないだり

J・T

 僕らは歩く。何ひとつ知らず。僕らは歩く。なんのことだかつゆ知らず。僕らは歩く。知る由もなく。僕らは歩く。知る術もなく。僕らは急ぐ。以上の理由で。僕らは歩く。ただそれだけ。

 

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 ひやり、はっと目がさめると朝まだき、昨日のおわりから今日にかけてガブ飲みしたわけでもない量のビールのせいか、みぞおちから胸にかけてなんとなく気持がわるい。これが胸やけだと気づいたのはここ数年のこと、してみると己もついに奉公人(サラリー・マン)の仲間いりを果たしたといえそうである。

 

 とりあえずステレオをつけるとジェイムズ・テイラーが30年まえの声をきかせる。Soothingな気持になる。これで本人がドラッグとアルコール漬けで精神病院の常連だったことがあったりするから不思議なような気はしないでもない。

 

 でもとにかくこの声は心地いい。今日のような日にピッタリだ、そうおもって窓をあけたら、盛夏なのに10月下旬の風がひやりと入って、雨が降っていた。

 

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 ・・・と、ずいぶんむかしに書いていた。いつのまにか酒も煙草もラーメンもやらなくなって久しい。ほんとうに、つくづく、ひとはかわる。

 

P.S. 長生きできたらパイプくらいはやってみたいが、どうなることやら。以上、報告おわり。