邦題エントリのつづき。
ビートルズの邦題でパッと思い出せるのは『悲しみをぶっとばせ(You’ve Got to Hide Your Love Away)』、『涙の乗車券 (Ticket to Ride)』、『4人はアイドル (Fab Four)』、『ぼくが泣く (I’ll Cry Instead)』などだろうか。ほかにもたくさんあったはずだ。
ビートルズに限らずむかしの邦題は揶揄されることが多いけれど、改めて見ると、いうほどわるくない。というかむしろ、かなりいい。
もっとも、『4人はアイドル』などというタイトルのアルバムを図書館で借りるのは恥ずかしく、そのせいで筆者とビートルズとの出会いはちょっと遅くなった。高校のころに『1』がでたのか、定かでないが、友だちが「ホワイトアルバムがすごい」と騒ぐので「マッシュルームのオカッパの人たちでしょ」と冗談半分に借りて聴いたら成層圏までぶっ飛んだ。
それから近所のホームセンターのワゴンセールで投げ売りされていた輸入盤の『Let It Be』を聴いて不思議がり、図書館で『ラバーソウル』を借りてまた場外へ飛ばされた。だから出会いも遅かったし、作品も後期から遡っていったクチである。きちんと網羅的に観聴きしたのは大学に入ってからである。
さておき、むかしの邦題は総じて省略の仕方が映画字幕風だと思う。そのせいというわけでもないだろうが、映像を観ると邦題のよさが伝わる。『ハードデイズナイト』もそうだし『ヘルプ!』の諸作品も同様である。『悲しみをぶっとばせ』は演奏の情景とサビの掛け声の感じがよく出ているし、『涙の乗車券』は完全に映画のタイトルだし、『僕が泣く』などはシンプルにうまいなと感じる。
なんせ映画を観る前後で初期作品の邦題の印象はだいぶ変わるんじゃないかと思う。あのような高圧のエナジーをどうにか一行に封じ込めようとしたら、こうなってもなんら不思議ではない。
というか、他にいいタイトルを思いつかなくて、邦題をいまだに覚えている時点で、コピーとしては大成功である。
P.S. そういえば『消えた恋(What Goes On)』というのもあった。『Rubber Soul』収録、ボーカルはリンゴ。
『嘘つき女(Think for Yourself)』も洒落ている。こちらはジョージがリードボーカル。ずいぶんむかしに学園祭で歌った記憶がある。遠い。
P.S.といったら『P.S. I Love You』だがキリがないのでこのへんで止めて置く。以上、連絡おわり!