ドバラダ飛空船〜ブルースからハワイまで〜

ギターをひいたり真空管アンプをつないだり

音楽探偵、推察す

 おそらく今後、合法ドラッグの類は加速度的にふえていくだろう。ありとあらゆる刺激が洗練され、効率的で効果的になる。『ブレードランナー』のように、ダイヤルを回せば特定のサウンドが自分の情緒を調節してくれるようになっていく。

 

 『ブレードランナー』でもそうだったとおもうが、これがだんだん効かなくなってくる。耐性ができてくる。

 

 ますます洗練され、効きめはのこっても、加速度的に感動はへっていく。夢の残滓のような空虚を抱えながら、惰性で音を聞くことになる。

 

 趣味嗜好の領域において、ひとがどのくらい対価を払うのか、今後数年で明らかになるだろう。パイがへることはたしかである。

 

 いっそ自分で音を紡いだほうがいいということになって、プレーヤーが増え、古き良き時代を懐かしんで、ヴィンテージが高騰する。アナログな楽器を、むかしながらの奏法で、プリミティブに演奏するスタイルが見直されることだろう。

 

 後ろ向きな態度というよりは、おなじようになぞろうとしても、おなじにはならないので、結局、そのときその瞬間の音にはなる。咲いていさえすればよく、ギターの場合は持った瞬間から誰もが咲いているので世話がない。もっというと、アナログ楽器はすべからくそうした傾向がある。

 

 真似はできない。模倣もできない。何かしらどこかしらちがってくる。それでいい。それがいい。

 

 以上、報告おわり。

 

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