ドバラダ飛空船〜ブルースからハワイまで〜

ギターをひいたり真空管アンプをつないだり

インヴィーノ・ヴェリタス

 MPBといえばカルトーラ、というわけでもないだろうが、じっさい、カルトーラはいい。第三集をよくみかけるのはジャケットのせいではないかと思う。第一集と第二集もすてきです。

 

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 それにしても、あちらさんのこういうフィーリングは、ひっくるめてサウダージといってしまっていいのか、いまだによくわからない。たとえば隣国のカルロス・ガルデルなどは、むしろ悲痛とか、わかりやすくつよい感情をあらわすことばのほうがちかいような気がする。録音技術のせいか音の距離感はあるものの、感情そのものは相当つよく発露されている。

 

 カルトーラも明白にこの線上におり、伴奏のオブラートにつつまれつつも、悲痛さの感覚はしっかりと保持されている。いわゆるボサノヴァを郷愁とすれば、こういうのはなんというのかな。かわいたかなしみをたたえた明るさのようなものなのだけれど、適当なことばが一向にでてこない。

 

 先日、息子を背負って図書館にでかけたおり、たまたま目があった『ボサノヴァギターが弾ける本 改訂版』を借りてきた。とにかくわかりやすくて、コラムを読みつつギターをつまびくだけで、たのしい気分になってくる。いままで読んだ教則本の中でいちばんかも。

 

 なんせコード譜がとても読みやすい。スーパー・ダイアグラムというそうだが、直感的に押さえられる。コードを伴奏しながら歌うようなスタイルの記譜にはむいているようにおもう。

 

 へたでもいい。パランソすればいい。そしてたのしくなければパランソはない、そういう趣旨と理解した。以上、報告おわり。