ドバラダ飛空船〜ブルースからハワイまで〜

ギターをひいたり真空管アンプをつないだり

音楽を聴こう17 〜チャーリー・パーカー〜

 『チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス』を聴いた。オーケストラは少々騒がしかったが、バードは相変わらずスウィングしていた。

 

 バードを崇拝した50年代の実存主義者たちのあるものは、バードのアルトを「黄金色のペニス」と呼んでいたという。確かにパワフルであるにはちがいない。

 

 ただ、彼自身が常にこころから演奏をたのしんでいたかといったら、そうでもないような気がした。彼にふさわしいリズム・セクションが提供されることは稀だったし、バードは日ごとドラッグに蝕まれ、持病との闘いでからだはボロボロだった。もっとも「あれはフライド・チキンの食べすぎが原因だ」というものも、あるにはあったのだが。

 

 とはいえ、それでもまだ、彼はその気になりさえすればいつでも、観客と共演者をアルト一本でノック・アウトすることができた。1952年、マッセイ・ホールでのライブにおける「ソルト・ピーナッツ」を聞けばわかる。

 

 以上、報告おわり。

 

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