ドバラダ飛空船〜ブルースからハワイまで〜

ギターをひいたり真空管アンプをつないだり

音楽を聴こう48〜近藤浩治〜

 『スーパーマリオブラザーズ 30周年記念盤』(2015年、Nintendo)

 

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 ライナーノーツに歴代の作品が紹介されており、2015年に『スーパーマリオメーカー』というのがでていた。つくったステージを世界中のプレーヤーがあそべるというから、つくづく配信というのはすごい。家庭用ゲーム機とは隔世の感がある。

 

 マイナーなたとえが許されるなら、こういうのはムーンボード的である。ムーンボードはクライミングボードの規格で、これも配信によって世界中のクライマーが課題を共有できるようになっている。いまもつかわれているのか知らない。

 

 ここ10年ほどで、あそびが徐々にメタ的になり、メイキング的になり、DIY的になり、アマチュア的になっている気がする。作品をプロアマ問わず共有してあそぶ方向にシフトしているように感じる。集合知的なあそびかた、といういいかたは直観的なだけで妥当ではないのだろうが、配信がそれを急加速させているのはたしかである。

 

 さておき、おそらく最も有名であろうファーストステージの音楽を聞いていたら、おもいのほか譜割りがトリッキーになっている。途中が3連符になっていて、しっかりポリリズムである。ながいあいだ適当に聞き流していたので、鼻歌でうたうときなど、ふつうの16ビートにしてしまっていた。

 

 そういえはドラクエのレベルアップのメロディもそうで、いつも冒頭の音符を勝手に増やすか、裏からはいってしまう。本当は冒頭のF音は3つで、アタマからはいるのが正解なのだろうが、うたいやすいように無意識にかえてしまう。

 

 とくにBGMや主題歌などがこうなりがちであるような気がする。プレイしたり映像を観るのに夢中で、音は聞き流してしまう。自分で容易に再現できるところまで勝手に簡略化してしまう。

 

 『空耳アワー』のようなものだろうと自分ではおもっているが、ちがうかもしれない。聞き流しつつ完コピしているひとも大勢いるので、なんともいえない。

 

 マリオの音楽はシンプルでもメリハリがあって聞き飽きないし、音を詰めこみすぎないので聞き疲れしない。和音も絶妙にスパイシーで、ぜんたいに計算された即興性のようなものを感じる。ゲームをプレイしながらつくったかどうかはわからないが、すくなくとも見てつくったのはまちがいないだろう。

 

 この調子で『クロノ・トリガー』も再訪したい。『MOTHER』の音楽についてはまたこんど。以上、報告おわり。

 

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